会長挨拶
  • 第52回日本心脈管作動物質学会
  • 会長 上田陽一
  • 産業医科大学医学部第1生理学講座 教授
Yasuo Morimoto , PhD

 この度、「第52回日本心脈管作動物質学会」を2023年(令和5年)2月10日(金)・11日(土)に、北九州国際会議場(JR小倉駅から徒歩約5分)において開催させていただくこととなりました。

 数多くの心脈管作動物質の多様性とさらにはその作用の多様性が生体内で美しい調べを奏でるかのように調和を生み出していることに感嘆し、本学術集会のテーマを「心脈管作動物質の多様性が織りなす調べ」とさせていただきました。

 心臓や血管がホルモンや生理活性物質の宝庫であることは大変な驚きであり、心臓が産生するANPやBNP、血管が産生するエンドセリンやアドレノメデュリン、胃から発見されたグレリン、NOを含むガス状物質の生理作用の発見などが現在では数多くの創薬や臨床応用に結びついています。この分野における日本人研究者・臨床家の皆様の貢献は極めて大きいものがあります。

 本学会の目的は、“心脈管作動物質に関する研究の発展を図り、会員相互の連絡および関連機関との連絡を保ち、広く知識の交流を求めることを持って目的とする”(日本心脈管作動物質学会会則第3条)と定められています。本学会では、学術集会や機関誌“血管”(Japanese Journal of Circulation Research)の発行などの活動を通して最新の情報発信に務めています。

 半世紀を超える歴史ある本学会の第52回学会をお世話させていただくことを大変光栄に存じます。2年あまり続いています新型コロナウイルス感染の世界的な流行は、新たな変異株の出現などで新局面を迎えており、学術集会のあり方もずいぶん変わりました。本学会においては、対面開催を前提としながらもWEB形式も取り入れた新しいカタチの学術集会の開催を目指します。ご理解のほどよろしくお願い申し上げます。

 北九州市は、八幡製鐵所を代表する北九州工場地帯として知られた地域ですが、古くは源平合戦の地となった壇ノ浦・関門海峡を臨み、武蔵・小次郎の戦いで有名な巌流島があり、魚介類の豊富な玄界灘にも面しています。北九州市立いのちのたび博物館、小倉城、明治の文豪・森鴎外の旧居、松本清張記念館などの見どころもたくさんあります。本学会とともにお楽しみいただければ幸いに存じます。北九州の地より皆様のご参加を心よりお待ちしています。