拝啓 皆様におかれましてはますますご健勝のことと心よりお慶び申し上げます。
この度、2025年度の日本脆弱性骨折ネットワーク学術集会の会長を拝命し、光栄であるとともに緊張感を感じつつ、鋭意準備を進めております。
さて、近年の高齢独居世帯の増加、独居困難な高齢者の増加、認知症高齢者の増加に伴い、介護施設への入所高齢者も増加しています。今までのように病院やクリニックに独力で受診できない脆弱性骨折患者には施設の嘱託医との連携も欠かせません。現時点におきましては急性期病院にて脆弱性骨折と診断され治療を開始した90%程度の脆弱性骨折患者は、その後、回復期リハビリテーション病棟や、地域包括ケア病棟との連携により切目ない一連の骨折治療が順調に継続できるようになりました。しかし、その後は俗に言われる「バミューダトライアングル」状態となり、維持期であるかかりつけ医まで辿り着けているのか不明な患者さんが増えているといった課題もございます。
そこで本学会では「急性期病院から地域につなぐ二次性骨折予防」をテーマに掲げ、関係多職種の皆様および可能であれば自治体の協力を得て大いに討論したいと思います。
北九州市にある関門海峡は古くは壇ノ浦と呼ばれ、九州と本州をつなぐ要所でありました。また“つなぐ”と申しますと、北九州市の市制60周年キャッチフレーズ「みらい つなぐ 北九州」でもあります。この「つなぐ」をテーマに2日間、脆弱性骨折に関わる急性期病院の医療従事者の皆様のみでなく、回復リハビリテーション病棟、地域包括ケア病棟、維持期である開業医の先生方、訪問診療所および近年の患者の半分以上が入所している介護施設の皆様まで多くの方にご参加いただき包括的に討論できる機会となることを願っております。
北九州市は日本新三大夜景都市に選ばれた美しい夜景をはじめ、「小倉城」や「門司港レトロ」のほか世界文化遺産に登録された「官営八幡製鐵所関連施設」などの観光スポットが有名です。また、少し足を伸ばせばカルスト台地の平尾台やフェリーで10分で行ける対岸の下関など、豊かな自然に囲まれた北九州市は四季折々のおいしい海の幸、山の幸の宝庫です。ぜひ皆様で北九州市へお越しになり、学会で頭をすり減らし、夜は観光・グルメで体を満たすことができるよう企画してまいりますので、皆様のお越しを心よりお待ちしています。
謹白
令和5年11月吉日